エルアラメインのオベリスク オベリスク全リストへ戻る

大きな地図で見る          cairo_metroは地下鉄駅を表す記号です

現在地:  エジプト、エルアラメイン、大統領宮殿前
北緯
30°53′10.8″(30.886333) 東経28°53′19.1″(28.888639)
創建王:  ラムセス2世(新王国第19王朝,在位,紀元前13世紀)
高さ:  20.4メートル
石材:  赤色花崗岩

場所について:
 エルアラメインはアレキサンドリアの西側にある街ですが、第二次世界大戦中に枢軸国軍と連合国軍の戦場となったことで知られています。近年エルアラメインはリゾート地としての開発が急速に進んでいて、2019年には大統領宮殿が建設されました。エルアラメインは地中海沿岸の、エジプトでは最北部になるため、夏場の避暑地として開発が進んでいるのです。大統領宮殿の前には以前、カイロのゲジーラ島(ザマレク)に立っていたラムセス2世のオベリスクが移設されています。
 ただし「エルアラメインのオベリスク」で連想されるのは、大統領宮殿前に移設されたオベリスクではなく、ドイツ軍戦没者墓地に建てられているオベリスクを思い浮べる人の方がはるかに多いと思います。ネット上にもドイツ軍戦没者墓地のオベリスクの記事の方が多いので注意が必要です。

行き方:
 エルアラメインには2026年時点では基本的に車で移動となります。筆者が訪問した2025年1月には、ギザから北上する高速道路がエルアラメインの近くにまで開通していました。
 結論から言えば、この時には大統領宮殿から1km以上は離れた箇所にバリケードと検問所があり、大統領宮殿には近づくことも出来ませんでした。エジプトに行く前に調査したのですが、2020年頃には別に規制もなく、だれでも自由に近づくことができ、宮殿やオベリスクの写真などもネット上にはあったのです。しかし少なくともこの時には様変わりしていて、車は入ることが出来ませんでした。大統領宮殿に向かう道の両側には真新しいマンションが立ち並び、海岸沿いに超高層のホテルらしい建物の遠景も望むことが出来ました。しかし、工事関係者以外には人影はほとんどありません。大規模開発の真っ最中で町全体が工事現場といった感じです。おそらく2020年当時は、大統領宮殿は外観的には出来ていても、まだ内装は工事が続き宮殿としては機能していなかったのだと筆者は考えています。そのため規制も無かったのでしょう。ところが大統領宮殿として実際に使われ始めると、周辺には空家の建築物や工事現場がひろがっているのですから治安維持は難しい。このため検問所が設けられているのだと考えました。
 しかしながら、筆者のこの想像は誤っているかもしれませんし、現在はさらに変化しているかもしれません。というのは、大統領宮殿のすぐ北側にはGewan Palace New Alameinという大きなリゾートホテルが2025年4月末に開業しているからです。筆者が現地を訪れたのは1月ですから、まだ未開業ですが、現在はすくなくとも宮殿のすぐ近く(北側)までは行けるようになっている筈です。また、帰国後に調べていたら、エルアラメインの大統領宮殿よりも東側は、すでに開業しているホテルも多く、街の賑いを伺える動画も少なからずありました。私はまだ建設途上のNEW ALAMEINの西側だけを見て「未完成の街」と思い込んでいたのでした。

カイロからエルアラメインへ輸送されるオベリスク
カイロからエルアラメインへ輸送されるオベリスク(2019年8月8日 EGYPT FORWARD )

オベリスクについて:
 筆者は実見はできませんでしたが、大統領宮殿に前に立っているオベリスクが、以前はカイロのゲジーラ島(ザマレク)に建てられていたラムセス2世のオベリスクを移設したものであることは確認が取れています。また、このゲジ―ラ島にあったオベリスクは、1961年にサンエルハガルの遺跡にあった断片を修復したものです。
 EGYPT FORWARDというエジプトの英語サイトには2019年8月8日の記事で、輸送されているオベリスクの写真を報じており、このオベリスクがザマレクからエルアラメインへ運ばれていることが明記されています。
大統領宮殿の前に立つオベリスク(2020年8月)
Google Mapで表示される大統領宮殿の前に立つオベリスクの写真の一例(2020年8月)

 EGYPT FORWARDの記事は残念ながら、エルアラメインのどこに運ばれたのかということが書かれていないのですが、実は写真の奥には大統領宮殿らしい建物が写っています。また、大統領宮殿の前に立っている写真もネット上にはたくさんありますが、写真はその一例です。
 大統領宮殿は当然のこととはいえ柵で囲われていてゲートがある筈ですが、ここで留意すべきなのはオベリスクが「柵の中なのか外側なのか」ということです。しかし、この写真ではオベリスクは大統領宮殿の柵で囲われた敷地の外側のロータリーに立っているように見えます。ということはGewan Palace New Alameinからは歩いて行ける場所であるかもしれません。なお、Google Mapに示される写真は2020年から2021年にかけての撮影が大半なのですが、1枚だけ2025年12月の写真がありましたので近寄ることは出来そうにも思います。
 なお、下記の4面の写真はゲジーラ島(ザマレク)メッサッラ庭園に立っていた頃の物です。

撮影メモ:
 2025年1月のエジプト訪問は、このウェブサイトのアップデートが目的で、事前に調査をした上で訪問したにもかかわらず、新行政首都のオペラハウスのオベリスクは塀で囲まれていてほとんど見ることが出来ず、この大統領宮殿に至ってはカイロから2時間かけて向ったのにもかかわらず、バリケードと検問に阻まれるという全くの徒労に終わりました。エジプトの近代化は非常に急テンポで進められているので、数年前の情報はたちまち陳腐化してしまうという事を痛感しました。2027年にエジプトを訪れる際には、大統領宮殿の北側に隣接しているGewan Palace New Alameinに宿泊してみようと思いますが、果して大統領宮殿前のオベリスクを訪れることができるでしょうか。

cairo_gezira_west.jpg
西面

cairo_gezira_south.jpg
南面

cairo_gezira_north.jpg
北面

cairo_gezira_east.jpg
東面
カイロ、ゲジーラ島(ザマレク)に立っていた当時の写真。 撮影:長瀬博之 2014年8月4日(画像をクリックすると高解像度の画像が見られます)


共同著作・編集: 長瀬博之 nagase@obelisks.org、岡本正二 okamaoto@obelisks.org